こんろの火消し忘れ延焼 屋形船火災、調理担当
運輸安全委員会は27日、東京都足立区の荒川で今年3月に屋形船第18浜田丸が全焼した火災の調査報告書を公表した。調理担当の男性(48)が、船内の調理場にあるこんろの火を消し忘れたため、天ぷら油が過熱し燃え広がったのが原因としている。男性はジャガイモの素揚げをした後、眠気のため休憩を取ろうと客室に移り、横になっていた。
安全委は、今回と同様の火災を防ぐため、調理油の過熱防止装置があるこんろや自動で粉末が拡散する消火器の導入などを進めるよう求めた。
報告書によると、火災は3月27日午後4時50分ごろ、屋形船の夜間営業の準備中に発生した。調理担当の男性は、前日夜、利用客の送迎業務をした後に帰宅。睡眠を約4時間取った後、火災当日の午前6時ごろ出勤。昼間の営業に就いた後、調理に当たった。
船には調理担当を含め4人が乗っており、消火器で消し止めようとしたが延焼は止まらず、船から脱出。調理担当の男性が逃げる際、左足首を捻挫した。〔共同〕