私のイチ押し

菓子匠「末広庵」三藤哲也社長 天ぷら店めぐり 揚げ方のノウハウ、菓子作りに

一流天ぷら店のノウハウを和菓子作りに生かしているという末広庵社長の三藤哲也さん
一流天ぷら店のノウハウを和菓子作りに生かしているという末広庵社長の三藤哲也さん

 天ぷらが大好きです。新しく天ぷら屋さんを見つけては、休日に妻と2人で食べに出かけます。もう10年以上前から続けています。

 なかでも一番だと思うのは東京・築地の「天麩羅 なかがわ」さん。食材の良さはもちろんですが、アナゴ、キス、エビなど、ネタによって揚げ方を変えているようです。それはまるで職人による芸術品。揚げ方のレベルが違うと感心させられています。

 店をめぐるときはいつも、揚げ方のコツを当店(「菓子匠 末広庵」)のお菓子に転用できないか考えています。味が優れていると感じたお店では、積極的に大将や職人さんの話を聞くようにしています。

 どうやって食材のおいしさを引き出しているのか、揚げ時間は何分か、などです。衣のかたさを確かめさせてもらったり、ストップウオッチで揚げる時間を計らせてもらったり、とても勉強になります。

 そうして学んだ揚げ方を取り入れているのが当店の「かりんとうまんじゅう」です。一流店のノウハウを得たことで、カリカリに揚げられるようになり、おかげさまで1日800~1千個を売り上げるヒット商品になりました。

 【メモ】昭和30年生まれの63歳。川崎市出身。東京理科大を卒業後、「マルセイバターサンド」などで知られる北海道帯広市の菓子舗「六花亭」で約3年間、修業。父が川崎市内に創業した同店に57年、専務として入社。平成13年10月から現職。「最高の原材料を使い、手頃でおいしいと喜んでいただける和菓子を目指している。100年先も地元で愛される『街のお菓子屋さん』でありたい」

会員限定記事会員サービス詳細