<芸人 今昔ものがたり 西条昇>タモリ編(4)テレビで洩れだす魅力

2023年12月6日 07時29分

今後もテレビでの活躍が期待されるタモリ

 放送回数8054回。単独司会者が務めた生放送のバラエティー番組としてギネス記録に認定された「笑っていいとも!」(フジテレビ系)は、2014(平成26)年3月31日に最終回を迎えた。当日夜の特番では勢揃(ぞろ)いしたお笑い界の大物たちを、タモリはいつも通りに巧みに捌(さば)いてみせ、番組の最後は「明日もまた見てくれるかな?」と、いつものセリフで締めくくった。
 一方でマニアックな視点と趣味性に溢(あふ)れた「空耳アワー」「タモリ電車クラブ」などの人気企画を生んだ「タモリ倶楽部」(テレビ朝日系)は、惜しまれつつも、23(令和5)年4月1日未明の放送で約40年6カ月に及ぶ歴史に幕を閉じた。
 現在のテレビにおけるタモリのレギュラー番組は、87年4月から司会を務める音楽番組「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)と、08年12月から断続的に続いている紀行番組「ブラタモリ」(NHK総合)の2本である。
 このうち、「ブラタモリ」は、もともと“坂道”や“古地図”が大好きで休日はデジタルカメラを手に街歩きをしていたというタモリの趣味を番組化したものであり、好きなことだけに、“タレント・タモリ”ではなく“人間・森田一義”の地の部分が思わず洩(も)れだしてしまうのが、たまらなく面白い。
 また、「徹子の部屋」(テレビ朝日系)では年末の最後のゲストとしてタモリの出演が恒例になっているが、昨年の放送で黒柳徹子に「来年はどんな年になるでしょう?」と聞かれ、「新しい戦前になるんじゃないでしょうか」と答えたことが大きな話題となった。今年の放送ではどんなトークが聞けるか、楽しみにしたい。

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