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ハル・ベリー ──心に残る女性たちのオスカー・スピーチPart3

第92回アカデミー賞がいよいよ2月9日(日本時間2月10日)に迫るが、今年はノミネートリストが「またしても白すぎる」と物議を醸している。過去の受賞者たちの語った心に残るスピーチを振り返る第3回では、映画『チョコレート』(01)で主演女優賞を受賞したハル・ベリーをフィーチャー。 ※前回のジェーン・フォンダのスピーチはこちらから。
オスカー像を握りしめて、涙ながらにスピーチ。Photo: AP/AFLO

映画『チョコレート』(01)で、アフリカ系として史上初のオスカー主演女優賞を受賞したハル・ベリー。スタンディングオベーションで祝福され、喜びのあまり泣きじゃくりながらスピーチをした。「この瞬間は、ドロシー・ダンドリッジ、リナ・ホーン、ダイアーン・キャロル、それに私のそばにいてくれるジェイダ・ピンケット(・スミス)、アンジェラ・バセット、ヴィヴェカ・フォックスのものです」と過去に不遇を味わった先輩、仲間たちに賞を捧げた。

ダンドリッジは1955年の第27回アカデミー賞でアフリカ系女優初の主演女優賞候補になり、ホーンは映画『ショウ・ボード』(51)で主役のアフリカ系女性に内定しながらも、白人女優のエヴァ・ガードナーに替えられていたからだ。そしてハルは、「すべての無名の有色人種の女性たちにチャンスが訪れました。今夜、その扉が開いたんです」と熱く語った。

アカデミー史上、最もドラマティックな瞬間となったスピーチは会場を大きな感動に包み、その後に『プレシャス』(09)のガボレイ・シディベ、『ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜』(11)のヴィオラ・デイヴィス、『ハッシュパピー〜バスタブ島の少女〜』(12)のクゥヴェンジャネ・ウォレスや『ラビング 愛という名前のふたり』(16)のルース・ネッガの4人が主演女優賞にノミネートされたが、受賞者は出ていない。

一方で助演女優のカテゴリーからは、『プレシャス』(09)のモニーク、『ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜』(11)のオクタヴィア・スペンサー、『それでも夜は明ける』(13)のルピタ・ニョンゴ、『フェンス』のヴィオラ・デイヴィス、『ビール・ストリートの恋人たち』のレジーナ・キングとアフリカ系のオスカー女優を輩出している。

【心に残るオスカー女優のスピーチ】

Vol.1 ハティ・マクダニエル
Vol.2 ジェーン・フォンダ

Text: Yuki Tominaga