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ミシェル・ヨー、『007』のプロデューサーは“ボンドガール”の定義を変えた

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされているミシェル・ヨーが、これまで彼女に影響を与えてきた女性たちについて語った。
Photo: Karwai Tang/WireImage

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で賞レースを席捲し、第95回アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされているミシェル・ヨー。『ピープル』誌のインタビューで、『007』シリーズのプロデューサーのバーバラ・ブロッコリなど、インスピレーションを与えた女性たちについて語った。「アメリカに来て初めて出演したのが、ピアース・ブロスナン主演の『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』でした。当時ジェームズ・ボンドはマッチョな男として描かれ、女性キャラクターは華を添えるだけの役どころでした」

ヨーが同作で演じた中国人スパイのウェイ・リンは、ボンドと対等に戦い、彼の命を救った。これは、それまでの“ボンドガール”の定義を変えることだった。「バーバラは、ボンドのレガシーが、時代の流れとともに進化する必要があると知っていました」とその功績を称える。

「私はこれまでずっと自立し、とても強く、頭が切れる非常に賢い女性たちに囲まれてきました。『彼女はすごくタフだよな。本当のビッチだよ』と言われることがありますが、『いいえ、タフな女性は違います』と言い返します。面白半分でビッチにもなりますが、本当にそうではありません。権力のある女性は、神経質な扱いにくい人ではありません。彼女たちは働き者だから、その地位を手にしたのです。女性は地位を得るために、より仕事熱心になる必要すらあります」

『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997)

Photo: AFLO

またマレーシア出身のヨーは、歌やダンスをこよなく愛する母親や、母に代わって育ててくれた祖母の影響についても言及。「母は22歳のときに私を妊娠しました。彼女自身がまだ子どもだったんだと思います。祖母が私たちきょうだいを育ててくれました。思いやりとは何か、優しさとは何か、人を思いやること、人の温かみなど、大切なことを教えてくれたのは祖母でした」

そして、祖母が愛を教えてくれたのに対し、母は情熱を示してくれたと語る。「私が今ここにいるのは、母のおかげでもあります……彼女はディーヴァで、映画が大好きでした。インドからヨーロッパ、アメリカ、中国、さまざまな映画を見て育ちました。母こそ、もしチャンスがあったら偉大な俳優になっていたかもしれません。母が私の夢を託してくれたのです」

Text: Tae Terai