ちょっとの頑張りでたくさんのご褒美。なんだかすごく虫がいい話ではあるが、私が景信山(かげのぶやま)に持つイメージはまさにこれ。ちょっと頑張っていい汗かいて山頂に立つと、待っているのはすばらしい展望と美味しいもの。
最寄りとなる小仏バス停からはやや急な所もある尾根道を歩いて1時間半程度。針葉樹の林から明るい広葉樹の林の尾根道に出ると、少しずつ周りが眺められるようになり、ひと登りで山頂だ。来た方向を振り返ると関東平野が一望できる。空気が澄んでいる今の時期は、目を凝らせば細長いスカイツリーも判別できるだろう。広い山頂の西側に進むと富士山の姿が眺められる。真っ白く雪をかぶった富士山の姿はいつ見ても神々しく感動する。
山頂には2軒の茶店がある。山名柱の裏側に1軒、少し離れたところにもう1軒。どちらも名物はなめこ汁。なめこがたっぷり入っている。寒い日はアツアツのなめこ汁がひときわ美味しく感じられる。なめこ汁と並ぶもうひとつの名物が「天ぷら」。山頂で揚げたての天ぷらが味わえるなんて、なんということだろう…。季節によっては山菜の天ぷらも味わえる。なめこ汁は必ず味わうのだが、天ぷらはなんとなくハードルが高くてまだ体験したことがない。今年の課題だ。
広々とした山頂はたくさんの椅子やテーブルが並び、あちこちの登山ルートから登ってきた登山者たちが思い思いに時間を過ごしている。なめこ汁や天ぷらを味わっている人、持参したガスストーブで料理をしている人、富士山を眺めながらコーヒーをおいしそうに飲んでいる人。無事に山頂にたどり着いてよかった、素敵な景色に出合えてよかった。たくさんの人の幸せなオーラで満ちあふれている山頂。