魔王(クロノ・トリガー)

登録日:2009/06/13(土) 17:06:18
更新日:2024/04/15 Mon 14:10:47
所要時間:約 4 分で読めます





魔王は『クロノ・トリガー』の登場人物。



■概要

A.D.600 中世において、強大なモンスターの軍勢を率いて世界を征服しようとしている魔族の長。
青白い肌の色をしている以外は人間と大して変わらない姿でありながら、魔族を統べる程の魔力を持っている。

現代の魔族に残された言い伝えでは、人間を滅ぼすためにラヴォスを生み出す儀式を行おうとしていたとされる。
このラヴォス召喚阻止の為にクロノ達は魔王と戦う。



本名は不明だが、人間からも魔族の部下からも一貫して「魔王」と言われる。
ストーリー後半である選択肢の後に仲間にすることができるのだが、そこでもキャラクター名自体が「魔王」となっている*1
仲間キャラは仲間にした時に名前を変更できるのだが、使用できる文字の関係で、DS版以外ではデフォルトで入っている「魔王」を消してしまうと元に戻せない。
1文字変えて「ラ王」にした人は多いと思われる。

会話の途中に魔王の名前が出てくる場合、および地名としての「魔王城」もこの名前変更に従って変わる。
魔王を変な名前にするとそれらも連動して変な名前になってしまう。
つまり、魔王の名前を「シンデレラ」にすれば、魔王城は「シンデレラ城」になる。


■ゲームにおいて

魔王がいる最下層の儀式場は、侵入して少し進むと魔王のテーマ曲「魔王決戦」が流れ出すと共にメッセージが強制スクロールとなって固定のテンポで話が進む。
イントロが流れている間に魔王とカエルの問答が行われ、「死の覚悟ができたならな!」の声と共に魔王がマントを跳ね上げこちらに向き直り戦闘が始まる瞬間に合わせ
BGMのサビが始まるため、非常に熱い演出の名シーンの一つ。



戦闘では魔王はの4属性全ての魔法を使いこなす。

戦闘開始してからしばらくは「バリアチェンジ」を中心に戦う*2
ファイガ・アイスガ・サンダガいずれかの魔法を放ち、放った魔法と異なる属性の攻撃を全て吸収するバリアを身に纏う*3
物理攻撃も効くには効くが防御力がかなり高く、バリアの弱点の属性でない攻撃をすると1発食らうたびにバリアチェンジを使う=全体魔法をぶっ放すため、素直に弱点属性の魔法を使った方が良い。
ただし、魔王を倒すには聖剣グランドリオンが必要、という言い伝えに違わず、カエルの持つグランドリオンで攻撃すると魔王の魔法防御をダウンさせることができるため、カエルだけは適度に通常攻撃を混ぜると良い。

一定以上のダメージを与えると戦法が変わる。
「防御を解き呪文を唱えだした」というメッセージが出ると上記のバリアが消え、全ての属性が通じるようになる上、物理防御も低くなる。
こうなるとバリアチェンジの合間に使っていた冥属性の小技魔法も使わなくなるため殴り放題になるが、一定時間経つと唱えていた呪文が完成し、魔王の最大魔法「ダークマター」が炸裂する。
バリアチェンジの際の魔法とは比較にならない大威力の全体攻撃であり、回復を怠ったまま魔王をタコ殴りにすると一撃で戦闘不能者が出かねない。


後にB.C 12000古代において再度戦う機会がある。
ここは戦うかどうかを任意で選ぶことができ、カエルがパーティにいる状態で戦うを選ぶとカエルとの一騎打ちになる。
しかしカエルはレベル、装備ともに前回戦った時よりも比較にならないほど強くなっているはずで、1対1でも十分勝てる。
また魔王自身、以前使っていたバリアチェンジやダークマターといった厄介な技は使ってこず通常攻撃とガ系魔法だけと前回から弱体化している。


倒した時のドロップ金額は一回目3000G二回目4000Gと、単体としてはかなり高額な分類。


■味方としての魔王

加入時点でファイガ、サンダガ、アイスガの3属性魔法を覚えており、技ポイントを稼ぐと冥属性魔法のダークボムを覚える。
そのため一人で全ての属性の攻撃を賄える。
また彼の使うガ系魔法はクロノやルッカの覚える同名の魔法よりも2割ほど威力が高く設定されている。
魔王城で見せた最大魔法ダークマターは技ポイントを稼いで習得しないと使えない。
敵だった時に比べればHPは1/10まで低下しており、無尽蔵だったMPも最大99止まりと能力は遥かに弱体化しているが、そこはゲームバランス上仕方がない。
それでも仲間の中で比べれば全ての能力に優れており頼れる存在。
これまで仲間にいなかった「素早い術師タイプ」で、開幕の全体魔法ひとつで雑魚敵を一掃してしまうことも。

ただし「仲間との連携技を1つも覚えない」と言う欠点があり、彼の攻撃は常に単体技になる。
加えて覚える技が全て魔法かつ範囲攻撃であるため、汎用性は高いが単体の強敵への決定打に欠ける。
特に魔法の通用しない敵、範囲攻撃を使うと反撃が飛んでくる敵は魔法を封印して通常攻撃で戦わなければいけないため天敵といえる。
また、氷/水属性をカバーしてはいるが回復魔法は覚えない。
最強の魔法ダークマターまでに覚える魔法も、魔法攻撃を軽減するが効果が長持ちしないマジックバリア、ダークボムが範囲→全体になったダークミスト、敵を一撃死させるが範囲が自分中心のうえ成功率も高くないブラックホールと、ダークミスト以外は使いづらいものが多いのも難点か。

なお、連携技を覚えないとは書いたが、いくつかある特定のアイテムを装備させた時のみ、魔王を含めた3人での連携技が使えるようになる。
いずれも非常に威力の高い連携技ではあるが、魔王のアクセサリ欄を他の効果が無いアイテムで埋めてしまうため、使いどころは考える必要がある。

装備は初期の時点でそこそこのものを装備しているが、加入後すぐに中世のビネガーの館で絶望の鎌/マント/兜の最強装備(SFC版時点)を揃えることが可能。
財布に優しい奴である。
DSリメイク版では追加武器として「ナイトメア」が登場。
絶望の鎌を越える攻撃力に加えて高めのクリティカル率、クリティカル発生時のダメージ倍化(=通常攻撃の4倍)を備えており、上記の魔王の弱点を上手くカバーしている。


以下、大きなストーリーのネタバレがあります。



























■来歴


本名「ジャキ」。
本来生きていた時代はB.C.12000 古代であり、当時の王国の女王ジールの息子で、れっきとした人間。

魔法王国の王女の息子で、幼少からかなりの魔力を持っていて、近く起こる人のや凶兆などを黒い風と表現し、感じていたりした。
その頃の魔法王国はラヴォスを海底深くに見つけており、その力を得ようとしていたが、
ラヴォスの力は危険なものだと感じていたジャキは周りの人間に心を閉ざしていき、姉のサラにだけ心を許していた。

ラヴォスに魅せられ変わっていく母を嫌ったり、ラヴォス制御にかり出される姉を心配したりとわりと普通の子供だった彼だが、ラヴォスの力を取り出す実験時、
制御する役割の姉を心配し実験の場に侵入すると、そこでラヴォスの力は暴走し、時間のゆがみがうまれる場面に遭遇してしまう。
そのゆがみに吸い込まれる形で彼は中世にとばされ、魔族に拾われる。

その後持っていた強大な魔力で魔王と呼ばれるまでになり、勇者サイラスを殺し、カエルに呪いをかけた。
そしてA.D.600 ラヴォスを海底から呼び起こすための儀式を行おうとする。
この時彼は人間を滅ぼすために呼び起こす訳ではなく、ただラヴォスに復讐、決着をつけたかっただけなのだが、それをクロノ達に阻止され、そのときにうまれたゆがみにまたも吸い込まれる。

そして魔王がとばされたのはまだラヴォスの力を研究している段階の古代魔法王国。
彼はその後に起きる事を全て知っていたため、顔を隠し姿を変えて預言者と名乗り王女に近づく。

結果として、ラヴォスの力をうまく制御させるための魔神器を作らせる事に成功。
が、クロノ達が魔神器を破壊しようとして魔神器を破壊しきれずラヴォスが完全に目覚めてしまい、魔王達はサラの力で安全な場所へと移動させられ、サラは行方不明に。

完全に目覚めたラヴォスは黒の夢という形で時空を越える存在になり、魔王はそれを打倒するという理由でクロノ達に協力する事になる。

この時、魔王の提案を呑んで手を組むか、信じず戦いを挑むかを選択できる。
手を組むを選んだ場合は魔王が実際にゲーム上仲間になる。
戦うを選んだ場合、カエルがいる場合はカエルとの一騎打ちに、いない場合はその時いる3人との戦いになる。

ここで勝つと魔王は「サラのおまもり」を遺して本当に死亡し、以降のストーリーに登場しなくなる。
大筋のストーリーに変更は無いが、一部のエンディングにおいてカエルの姿に影響が出る。
上記の通りカエルは魔王にかけられた呪いによって人間からカエルの姿になっているため、その呪いが時間差で解けるのだ。




仲間にしなくても大筋のストーリーに変更は無いものの、その後戦う相手は「魔王にゆかりがあったもの」が複数おり、
そこに魔王を連れて行くと専用の会話や演出がある場合が多い。
特に黒の夢最深部で女王ジールと戦う際は、魔王城で魔王と戦った時と同じようにBGMが「魔王決戦」になった上で前フリ会話が固定テンポになり、
戦闘開始と共にBGMのサビが始まる演出になる。



DS版で新たに追加されたイベント「次元のゆがみ」では、こちらの世界とは別の次元から来たもう一人の魔王が登場。
もしパーティーにも魔王が居た場合、こちらと向こうで二人の魔王が同時に存在することになる。
別次元の魔王は既にラヴォスを倒した時間軸から来ており、夢喰いからサラを救出しようとするも失敗し、
その後マルチエンディング"夢の終わりしとき"にて、サラを救えなかった自分に絶望して記憶と存在を投げ出し、
過去の記憶を全て失った状態でどこかの森を彷徨う姿が描かれている。
おそらく次回作の舞台であるエルニドへとばされたものと思われるが詳細不明。
なおDS版ではガルディア崩壊ムービーはこのエンディングでしか流れなくなっており、
正式に「トリガー本編の方とは別の時間軸の出来事」として扱われた形となる。

クロノ・クロスでは、元々魔王を仲間の一人として登場させ、イベントを展開させる案があったが、仲間キャラクターの増大化に伴い没となってしまった。
しかし一部イベント、というかある仲間キャラクターにその形跡が残ったままとなっている。
クロスの原作であるラジカル・ドリーマーズには素性を隠した状態で登場(シナリオによって変わる)。
トリガーの上記エンディングはこれらに繋げたものと考えられている(明言はされていない)。

「黒い風が、また泣き始めた……。」


「弱い者は死ぬだけだ…」


「姉より優れた弟はいない…」


「ブザマなものだ・・・・・・。けっきょく、何一つ変えることも出来ずに・・・・・・。」




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最終更新:2024年04月15日 14:10

*1 会話ウィンドウなど大きいサイズのフォントの文字では「魔」王だが、ゲームメニューウィンドウなどフォントが小さい場所では「魔」の字を表現できないため、「まだれ+マ」の略字が使われている。

*2 戦闘開始時点では全属性吸収で弱点が存在しない状態であるため、下記のように通常攻撃でバリアチェンジを誘発させる必要がある。

*3 このゲームでは「氷」属性と「水」属性は別扱いでアイスガは「氷」属性だが、こちらのメンバーの関係上、バリアチェンジアイスガを使った時は水属性も効くようになる