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つまり、セキュリティ面からも Google Apps for Business は安心できると確認できました

情報システムグループ
蜂巣稔幸氏

導入製品

Google Apps for Business

会社概要

行きたい飲食店がすぐに見つかる日本最大級の飲食店情報検索サイト「ぐるなび」、飲食店の経営を支援する「ぐるなびPRO for 飲食店」のほか、買い物サイトの「ぐるなび食市場」、ネットで宅配・出前のオーダーができる「ぐるなびデリバリー」などからなる“食のポータルサイト”を運営。1996 年にサービスを開始し、2009 年 3 月には掲載店舗数 50 万店、月間アクセス数 8 億 5 千万ぺージビューを越えるメガサイトへと成長。

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株式会社ぐるなび

Google Apps for Business で、モバイル端末による営業支援システムと連動した高機能のグループウェアを構築

Android 端末の優位性を確認

Android 端末の優位性を確認

日本はもちろんのこと、中国においても飲食店情報を提供するなど、“食のポータルサイト” でおなじみのぐるなび。同社は、2010 年 1 月に Google Apps for Business を全社に導入した。

同社の収益は、飲食店からの情報掲載料が大半を占める。同社の営業担当者が、飲食店に対してイベント企画やメニュープランなどの販売促進策を提案し、それらを店の基本情報とともにぐるなびの諸サイトを通じて見込み客に PR するというビジネスである。「世の中的にモバイルの環境が整ってきて、営業セクションから『社外でもイントラネットにある顧客情報などを見られるようにしてほしい』という要望が上がり始めてきました。そこで、2009 年の 4 月から営業担当者向けにモバイルでのアプリケーション開発に着手しました」と情報システムグループの齊藤一也氏は言う。

齊藤氏らは、当初は手持ちの携帯電話で閲覧できるウェブコンテンツとしての開発を検討。3 社のキャリアにそれぞれ対応する必要があり、効率化のために開発作業を一本化できる手段を探ったが見当たらなかった。同時にスマートフォンも検討したところ、1 つの OS に則して開発するだけで 3 キャリアをカバーできる可能性があることがわかった。「今後のことを考えると、ずっと 3 キャリアの違いに縛られ続けるのは大変だということで、スマートフォンでいくことにしました」

そこで、iPhone、ブラックベリーとともに Google の Android 端末を比較検討。端末の機能や使い勝手、導入コスト、開発環境などにおいて、Android 端末の優位性が確認できた。11 月のことである。

収納したドキュメントを探し出すのに一苦労

ちょうどその頃、Google の企業向けソリューションの最新情報と事例を紹介するイベント「Google Enterprise Day 2009 Tokyo」に足を運んだ齊藤氏らは、たまたま担当者から Google Apps for Business の説明を受ける機会があった。「話を聞いて、モバイルでの営業支援システムだけではなく、同時に検討していたメールやグループウェアのリプレイスも Google Apps for Business に一本化できることがわかりました」と情報システムグループの中西秀郎氏は言う。

同社ではグループウェアによるイントラネットを構築していたが、いくつかの問題点が浮上しており、情報システムグループはその解決も担っていたのである。問題点とは、概ね次のとおり。

同社ではドキュメントのやりとりがメール添付で行われることが多いが、知識不足の人がメールに重いデータ量のドキュメントを添付して送信し、サーバーをダウンさせてしまうという事態が何度か生じていた。また、グループウェアのファイル共有機能とは別に、それとは連動していないファイルサーバーもあって、それらを使い分けるルールが確立されていなかった。そのため、ドキュメントがたまる一方でサーバーの増設を重ねなければならず、また収納したドキュメントは検索ができず探し出すのが一苦労という状態にあった。「このため、各部署から『ドキュメントや情報の在り処にリンクできるポータルサイトをつくりたい』といった声が上がっていました。既存のグループウェアではそういったニーズに機能的にうまく対応できなかったので、独自に外注して作成した部署もありました」(齊藤氏)

Google Apps なら懸案事項をまとめて解決できる

そこで、いくつかのグループウェアを検討していたが、「どれもピンとこなかった」と情報システムグループの蜂巣稔幸氏は言う。「Google Enterprise Day 2009 Tokyo」で Google Apps for Business の話を聞いたのは、まさにそのタイミングだったのだ。さっそく、齊藤氏らは Google Apps for Business に絞って検討を開始。その全員が以前から個人的に Gmail を使っていたので、Android 端末にも展開しながらカレンダーやサイトなどの使い勝手を確認していった。それとともに、Google の担当者から先行導入事例や諸機能についての説明を受けた。「結論的には、Google Apps for Business を導入することで懸案事項がまとめて解決できる上に、社員の生産性を向上させられる可能性が大きいこと、さらにサーバーの導入や保守のコストを削減できることがわかりました。しかも、どんどん新しい機能が追加されています。将来性の大きさが決め手になりましたね」(蜂巣氏)

ただし、すべてのデータを Google に預けることになることに対して、セキュリティや運用面での不安の声も挙がった。齋藤氏は続ける。「Google がサービスレベル アグリーメントで保証する月間サービス稼働率は 99.9 %なので、ほとんどダウンする心配はないといえます。一方、自社のデータセンターが 99.9 %なんてあり得ません。また、セキュリティ面でも自社サーバーと比べれば Google のほうが堅牢なのは間違いないでしょう。さらに、ドキュメントをデータセンターに置く形になるので、モバイル端末に保存しない運用をすれば、紛失した場合のリスクを減らすことができます。つまり、セキュリティ面からも Google Apps for Business は安心できると確認できました」

情報システムグループに対して、社内の情報システム全体の今後のあり方を検討するよう指示していた久保社長に報告すると、すぐに賛同を得た。12 月下旬に Google Apps for Business の導入を最終決定。

Google ならではの「全文検索」に高評価

2010 年 1 月の始めから必要な開発作業と Google Apps へのメール移行準備を開始し、2 月初旬から従来のメールシステムとの並行運用を始めた。一方、一部の社員に Android 端末を配布し、試験的に検証を進めていった。それとともに、1 カ月半かけて逐次全社員に Gmail の使用法のレクチャーを行う。そして、3 月中旬に Gmail への全面的な切り替えを行った。その直後から「使い方がわからない」といった質問が続々と寄せられた。「ヘルプデスクを担当することになったのですが、その一環として Google サイト を使って Gmail などの使用法に関する FAQ サイトをつくりました。質問事項をどんどん追加していったので、聞かれても『FAQ を見て』で済ますことができるようになりました」と中西氏は笑う。

Gmail への切り替え直後は、使い慣れないことへの戸惑いの声も聞こえてきたが、じきに「便利」「Gmail のほうがいい」という声が増えていったという。「いろいろな検索法があることを教えると、効果テキメンです。添付ファイルの名前や拡張子でも探せるし、なんと全文検索(複数文書にまたがって文書に含まれる全文を対象とした検索)もできる。これは Google ならではです。それ以外にも、いろいろな便利な機能が認知されるにしたがって Gmail への評価は上がっていきましたね」(中西氏)

さらに、齊藤氏は個人的に業務が効率化し始めたことも実感している。「それこそ 1 日中メールをチェックしていますが、ラベリングなどでメールが整理できたり、既読メールはアーカイブにためて受信トレイに残さないようにしたことで新規メールの見落としがなくなりました。おそらく 1 日 1 ~ 2 時間ぐらい削減できていると思います。通勤時間にモバイルでも見るようになれば、さらに効率化できるでしょう」

今後は、モバイルによる営業支援システムの本格稼動とともに、まずは Google ドキュメントに装備されているテンプレートを用いて研修後のアンケートやアイデア募集、業務レポート作成・共有などに活用することが予定されている。「さらにカレンダーやサイト、ビデオといった Google Apps for Business の諸機能を使いこなしていきます」と齊藤氏は締め括った。