活用事例

Hampton Roads Transit では、Google の乗換案内、アナリティクス、カレンダー、Picasa、YouTube を活用して顧客サービスを向上させ、ウェブ マーケティングへの取り組みを強化しています。

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HRT の概要

Hampton Roads Transit(HRT)は、バージニア州の 7 都市(チェサピーク、ハンプトン、ニューポートニューズ、ノーフォーク、ポーツマス、サフォーク、バージニアビーチ)にて公共交通機関を運営しています。現在は主にバス サービスを提供していますが、2010 年には新型路面電車の運行を開始する予定です。CEO が米国公共交通協会(APTA)の議長を務めている HRT では、約 900 人の従業員を雇用しています。

課題

他の交通機関と同様に、HRT でも、できる限りのサービスを提供しながら公共交通機関の利用を促進していきたいと考えています。そのために、既存の利用客、新しい利用客、地域の住民との一層効果的なコミュニケーションの手段を常に模索しています。

解決方法

公共とのコミュニケーションを改善するための取り組みの一環として、HRT ではいくつかの Google サービスを導入しました。

中でも大きなステップとなったのは、2007 年に Google 乗換案内を導入し、運行スケジュールやルートの情報を Google マップに統合したことでした。現在、これらの情報は、毎日出先などで Google マップやモバイル Google マップを使う何百万人もの人々がその場で利用できるうえ、HRT のウェブサイト、gohrt.com からもアクセスできるようになっています。さらに、Google 乗換案内は無料のサービスなので、HRT では新たなコストをほとんどかけずに顧客サービスを改善しています。

HRT では、ウェブ マーケティングへの取り組みを強化するために、その他の様々な Google サービスも活用しています。HRT のウェブサイトで効果のあるコンテンツ、ないコンテンツをより深く見極めるために、Google アナリティクスを導入しました。また、ウェブサイトに Google カレンダーを埋め込み、コミュニティ カレンダーとして豊富な情報を提供したり、YouTube を活用して公共への働きかけに役立てたりしています。企画および技術部門の副社長、デイビッド・サリバン氏は「自社のではなく Google の帯域幅を使用しているので、とても合理的です。それに、導入にも手間がかかりませんでした」と語っています。

結果

Google 乗換案内の導入は、社内で同様のシステムを開発するよりもはるかに少ない労力で済んだそうです。その結果、HRT の利用客は、これまで以上にすばやく簡単に運行スケジュールやルート情報を見つけることができるようになりました。

Google 乗換案内の導入以来、HRT ウェブサイトへのアクセス数は着実に増加しています。Google 乗換案内を導入する前の 2007 年 5 月、HRT ウェブサイトのページビュー数は 10 万回強でした。ところが、導入後の 2008 年 5 月には、ページビュー数が 16 万 5,000 回を超える 60% 以上の増加となり、Google 乗換案内をホストするページがこのページビュー数の 7% 近くを占める結果となりました。乗換案内に満足した HRT は、gohrt.com のホームページにもこのツールを新たに追加しました。

Google 乗換案内の活用は、HRT の顧客サービスへの取り組みの強化と合理化にもつながりました。顧客サービスの担当者は Google 乗換案内を利用して、電話で問い合わせてきた利用客に詳しい最新情報を提供しています。また、Google 乗換案内のおかげで、新人の担当者でも、数週間や数か月もかけずに初日から質の高い情報を提供できるようになりました。その上、時刻表の作成にも大いに役立っています。HRT では全部で 47 の路線について年間 2、3 回時刻表を作成していますが、1 つの路線の新しい時刻表を作成するのに 6~8 時間を要していたそうです。ところが、Google 乗換案内用オープンソース アプリケーション、時刻表作成ツール(オレゴン州ポートランドの交通機関 TriMet が開発)を活用することで、わずか数分で時刻表を更新できるようになりました。「これからは、校正などの作業に時間を費やす代わりに、サービス向上にもっと専念することができます」

サリバン氏が「Google 効果」と呼ぶ HRT にとって予想外のメリットは、PR 効果があったことです。「この地域の公共交通機関はあまり評判がいいとは言えませんが、Google と提携することで、イメージが良くなったと思います」

サリバン氏はこのようにも述べています。「従来の IT マネージャーは自分達で開発したものでなくてはダメだ、という姿勢でしたが、Google マップを活用しようとしない交通機関なんて、考えられません。機動力と適応性を保つには、ウェブベースのサービスがぴったりなんです。何年にも渡って抱え込むような大規模な投資は必要ありませんからね」

Google 乗換案内の価値を実感した HRT は、Google の関連ガジェットの開発を始めました。ウェブサイトにインタラクティブ式の交通情報を掲載する方法を模索中の他の機関にも提供する計画だそうです。「デフォルトの Google 乗換案内ガジェットをベースとして使いつつ、ニーズに合わせて手を加えています」とサリバン氏。

HRT では、Google のその他のサービスも大いに活用しています。特に、YouTube は公共との重要なコミュニケーション ツールとなっており、建設プロジェクトの着工式の動画や新しい交通建設プロジェクトの完成シミュレーションを投稿して、利用客や地域の人々に紹介しています。また、Google アナリティクスを導入して HRT のウェブサイトを最適化したり、Google カレンダーに地域のイベントを掲載したり、Picasa を社内外向けに活用したりしています。現在、Picasa を HRT のフォト ライブラリとして利用しており、従業員がレポート、プレゼンテーション、その他のドキュメントで使用する画像を見つけることができるようになっています。「HRT のイントラネットを Picasa の非公開サイトにリンクさせたんですが、作業には半日しかかかりませんでしたよ」